三叉神経痛

三叉神経痛

顔面に痛みを生じる病気です。

典型的な症状としては、歯磨きや洗顔、食事、会話等の際に、電撃痛を自覚します。電撃痛とは神経に触れられた時の痛みの特徴で、例えば、虫歯の治療の際に神経に触られると一瞬飛び上がるほどの痛みを自覚しますが、それと同様の痛みです。もちろん個人差はありますので、痛みの程度や強度はさまざまですが、症状がひどい時には、もう叫びたくなるような痛みです。

三叉神経痛の原因としては、ほとんど三叉神経と血管が接触して生じる痛みですが、稀に腫瘍が三叉神経に接していたり、神経そのものが腫瘍化していたりする場合もあります。また、帯状疱疹後に顔面が痛むこともあり、全てが頭の中に原因があるわけではないので、診断には、問診とMRI検査が重要です。MRI検査上神経と血管が接触していることが判断できれば、『三叉神経痛』の診断となります。この手術も、鍵穴手術が可能で、髪の毛を剃らずに4cm程度の皮膚切開で、500円玉の大きさの開頭で手術を行います。

また当院の特徴としては、他院で手術を受けて痛みが取れなかった方々の手術も積極的に行っております。この病気の再手術は非常に難度の高い手術になることが多いですが、その難度の高い手術も福島孝徳先生を中心としたチームで取り組んでおり、ほぼ100%近い治癒率を維持しております。

代表症例をお示しします。

80代男性

80代の男性の方です。

6年前から左の顔面の痛みを自覚され、さらに右の顔面の痛みも自覚され、テグレトール(カルバマゼピン)を開始し、症状は改善しました。しかし、副作用症状が強く、手術を希望されました。

MRI検査を施行したところ、左右の三叉神経に動脈が接触していることが確認されました。より痛みの強い右側より治療を開始しました。

実際の術中の画像です。
三叉神経(黄矢印)に血管(赤矢印)が接触しているのが確認できます。
(接触している部位が橙矢印)

接触している血管を移動して、
三叉神経(黄矢印)から血管が離れています。(橙矢印)

開頭範囲は約2cmです。
一般的な手術よりもかなり小さな開頭で手術を行っております。

術後の傷ですが、無剃毛で手術しており、
ほぼ傷が分かりません。
(赤ラインが皮膚切開部位です)